追い焚きと足し湯はどっちが安い?1回のガス代は約17円と約49円|“お湯の量”で使い分けるコツと冷まさない4つの工夫をFP2級がやさしく解説

湯気の立つお風呂と保温シートのイラスト 節約術

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寒い夜、家族が「先に入っていいよ」と言ってくれたのに、気づけばスマホを見ているうちに2時間。いざ入ろうとしたら、お風呂がすっかり“ぬるま湯”になっていた……そんな経験はありませんか。

そこで出てくるのが、「追い焚き(おいだき)と足し湯(たしゆ)、どっちが安いの?」問題です。家族の中で意見が割れて、お風呂の前でちょっとした会議が始まる家もあるとか。

この記事では、追い焚きと足し湯の1回あたりのガス代・水道代の目安を、計算の前提もいっしょにやさしく比べます。そのうえで、ムダなく温まる使い分けと、そもそも冷まさないコツを紹介します。

結論:温め直すなら「追い焚き」、お湯が減ったら「足し湯」

先に結論です。

  • お湯の量は足りていて、ぬるいだけなら → 追い焚きが安い(水道代がかからないため)
  • 家族が入ってお湯の量が減ったなら → 足し湯(量と温度を同時に戻せる)
  • いちばんの節約は、そもそもお湯を冷まさないこと(続けて入る・ふたをする)

足し湯は「熱いお湯を足すだけだから安そう」に見えますが、足したお湯の分だけ、水道代と“水を温めるガス代”の両方がかかるのがポイントです。くわしく見ていきましょう。

追い焚きと足し湯のしくみの違い

追い焚きは、浴槽のお湯を給湯器に送り、温めてまた浴槽に戻すしくみです。新しい水は使わないので、かかるのは基本的にガス代だけです。

足し湯(さし湯・高温たし湯とも呼ばれます)は、給湯器で新しい水を熱いお湯にして浴槽に足す方法です。冷たい水道水を温めるところから始まるので、ガス代に加えて水道代(下水道代も含む)がかかります。

ちなみに、追い焚き機能がない給湯器もあります。わが家がどちらか分からない場合は、浴室のリモコンに「追いだき」「ふろ自動」などのボタンがあるかを見てみてください。

ガス代そのものを見直したい方は、ガス代を節約する方法|お湯の使い方で下げる5つのコツもあわせてどうぞ。

1回いくら?追い焚き・足し湯・お湯はり直しを比較

「2時間ほど放っておいて、200Lのお湯が約4.5℃下がった(40℃→35.5℃)」という場面で、40℃に戻すときの目安を計算してみました。この「2時間で4.5℃下がる」は、自治体の省エネ啓発でもよく使われている想定です。

方法 やること 都市ガスの目安 プロパンガスの目安 向いている場面
追い焚き 200Lを35.5℃→40℃に温め直す 約17円 約38円 量は足りていて、ぬるいだけ
足し湯 60℃のお湯を約45L足して40℃にする 約49円
(ガス約38円+水道約11円)
約95円
(ガス約84円+水道約11円)
家族が入って、お湯が減った
お湯はり直し 200Lを捨てて、水15℃から40℃でためる 約143円
(ガス約93円+水道約50円)
約258円
(ガス約208円+水道約50円)
お湯が汚れた・翌日になった

※計算の前提(執筆時点の目安):必要な熱量=水の量(L)×上げる温度(℃)。給湯器の効率80%。都市ガスは1m³あたり約10,750kcal・単価約160円、プロパンガスは1m³あたり約24,000kcal・単価約800円、水道代(下水道込み)は1Lあたり約0.25円、冬の水道水は15℃として計算。実際の金額は、ガス会社の単価・季節・浴槽の大きさ・給湯器の性能によって変わります。

表のとおり、同じ温度に戻すなら、追い焚きは足し湯のおよそ3分の1という結果になりました。足し湯は「冷たい水を60℃まで温める」ぶん、ガスを多く使ってしまうんですね。

とくにプロパンガスのご家庭は、1回の差が大きくなりやすいので、使い分けの効果も大きめです。お湯はり直しは、さすがにお財布にもお湯にも“リセット感”が強すぎます。

ムダなく温まる、追い焚き・足し湯の使い分け3つ

① 量が足りているときは追い焚き一択

お湯の量が十分なら、迷わず追い焚きでOKです。足し湯をすると、あふれた分のお湯(=お金をかけて温めたお湯)を排水口に流すことにもなります。

② 量が減ったときは、足りない分だけ足し湯

家族が続けて入るとお湯は少しずつ減ります。このときは減った分を足し湯で補うのが合理的です。温度も一緒に上がるので、追い焚きを重ねるより手間も時間もかかりません。逆に、量が足りているのに足し湯を続けるのはムダになりやすいので注意しましょう。

③ 「自動保温」はつけっぱなしにしない

リモコンの「自動保温(保温)」は、お湯の温度が下がるたびに自動で追い焚きしてくれる便利な機能です。ただし入る人がいない時間までオンのままだと、そのぶんガスを使い続けます。家族全員が入り終わったら、忘れずにオフにしましょう。「誰が切るか問題」は、最後に入った人の担当にしておくと平和です。

いちばんの節約は「冷まさない」こと|すぐできる4つの工夫

追い焚きが安いといっても、追い焚きしないで済むのがいちばん安いのは言うまでもありません。国の省エネの呼びかけ資料でも、「入浴は間隔を空けずに入る」ことで、ガスの使用量に対して約5.6%の省エネ効果があると試算されています(東京のモデル住宅での推計値)。

  1. 家族はなるべく続けて入る:「ごはんの前に全員入る」など、家のルールにしてしまうのがコツです。
  2. 入らない間は必ずふたをする:ふたを開けっぱなしにすると、湯気といっしょに熱がどんどん逃げていきます。
  3. 保温シートを浮かべる:お湯の表面にアルミの保温シートを浮かべ、その上からふたをすると、さらに冷めにくくなります。
  4. 入浴前に浴室を温めすぎない工夫:シャワーで床や壁を流して浴室を温めると寒さはやわらぎますが、お湯の出しすぎには注意。シャワーの時間を短くするのも省エネにつながります。

お風呂から出たあとの寒さ対策には、湯たんぽは節約になる?1回のお湯代の目安も参考にしてみてください。

保温シートを選ぶなら|定番の2つ

保温シートは1,000円前後から手に入る、いちばん手軽な「冷まさないグッズ」です。浴槽のサイズに合うかを確認してから選びましょう。

① ニトリ お風呂用アルミ保温シート L

ニトリ お風呂用アルミ保温シート L

ニトリ公式ショップの商品。サイズは約幅120×奥行70cmで、素材はアルミ蒸着フィルムと発泡ポリエチレン。メーカーの説明では、風呂ふたと併用するとさらに保温効果があるとされています(耐熱温度は約60℃)。

② オーエ アルミ保温シート 両面タイプ

オーエ アルミ保温シート 両面タイプ

日用品メーカー・オーエの保温シートで、コーナンの楽天市場店で販売。約縦70×横120×厚さ0.4cm、両面アルミでどちらの面でも使え、はさみで浴槽に合わせてカットできるタイプです。ショップのレビュー評価は4.5超(執筆時点)。

※価格・レビューは執筆時点の情報です。最新の価格やレビューはリンク先でご確認ください。

他の商品とも比べたい方はこちら:

追い焚きを使うときの注意点

  • 追い焚きの配管も汚れる:追い焚きはお湯が配管を通って行き来するため、配管の中に汚れがたまりやすくなります。市販の配管洗浄剤などで、ときどきお手入れしておくと安心です。
  • 翌日の残り湯の追い焚きはほどほどに:ガス代は安く見えても、時間がたったお湯は衛生面が気になります。翌日は洗濯や掃除に使い、入浴はお湯をはり直すほうが無難です。残り湯の使い道は水道代を節約する方法でも紹介しています。
  • 単価はわが家の明細で確認:記事の金額はあくまで目安です。ガスの検針票やWeb明細で1m³あたりの単価を見ると、わが家の金額に近い計算ができます。

まとめ:追い焚きと足し湯は「量」で使い分け、まずは冷まさない

  • お湯の量が足りていて、ぬるいだけなら追い焚きが安い(1回 都市ガス約17円・プロパン約38円の目安)
  • 足し湯は水道代+水を温めるガス代がかかり、同じ温度に戻すなら追い焚きの約3倍の目安
  • 家族が入ってお湯が減ったら、減った分だけ足し湯が合理的
  • 自動保温は、全員入り終わったらオフにする
  • 続けて入る・ふた・保温シートで「冷まさない」のが最強の節約

今夜からは「先に入っていいよ」と言われたら、スマホを置いてすぐ入るのがいちばんの節約です。お湯も家族の気づかいも、冷めないうちにどうぞ。

※本記事の金額は、上記の前提条件による概算です(2026年10月時点)。省エネ効果の数値は、政府の省エネルギーの呼びかけ資料(自立循環型住宅設計ガイドラインのモデル住宅を用いた東京での年間ガス消費量の推計値)にもとづきます。実際の金額は契約しているガス会社・水道局の料金、地域、浴槽や給湯器によって変わります。

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