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「ふるさと納税って、会社で働いている人のものでしょ?」——年金暮らしになってから、そう思ってスルーしていませんか。
テレビで「カニが届いた!」と盛り上がっているのを見て、「うちも年金からちゃんと税金を引かれているんだけどなあ…」と湯のみを置いた方もいるはずです。(その気持ち、カニより重いです。)
この記事では、年金生活の方がふるさと納税をするときの「できる・できない」の分かれ目と、手続きの選び方を、FP2級の目線でやさしく整理します。
この記事の結論
- 年金生活でも、住民税(所得割)を払っている人ならふるさと納税で控除を受けられる
- 反対に、住民税がかかっていない人は、寄附しても税金は戻らない(返礼品つきの寄附になるだけ)
- 年金が400万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら、ワンストップ特例(確定申告なし)が使えることが多い
- ただし医療費控除などで確定申告をするなら、ワンストップは無効。寄附も申告にまとめる
📅 年末が近い方へ:ふるさと納税、年末までにやることまとめ【2026年】(締め切り・上限額・ワンストップの期限を1ページで確認できます)
年金生活でもふるさと納税はできる?カギは「住民税がかかっているか」
ふるさと納税は、寄附した金額から2,000円を引いた分が、所得税と住民税から差し引かれるしくみです。つまり、もともと税金を払っていないと、差し引く“元”がありません。
年金は税金の上では「雑所得」という扱いで、年金の額から「公的年金等控除」という“必要経費のようなもの”を引いて所得を計算します。65歳以上で年金収入が330万円以下なら、この控除は110万円です(国税庁の速算表より)。
そのため、年金額が少なめの方は、控除を引いたら所得がほとんど残らず、住民税がかからない(非課税)ことも珍しくありません。
まずは「自分に住民税の所得割がかかっているか」を確認するのが第一歩です。住民税がかかるかどうかは、家族構成や住んでいる市区町村によって基準が変わるため、ネットの「年金○万円なら大丈夫」をうのみにしないのが安全です。
自分の住民税を確かめる方法
- 市区町村から届く住民税の通知書(年金から住民税が天引きされている方は、その税額が書かれた通知)を見る
- 通知書の「所得割額」の欄に金額があれば、ふるさと納税の控除を受けられる可能性あり
- よく分からなければ、お住まいの市区町村の住民税の窓口に聞くのがいちばん確実
ちなみに、住民税からの控除のうち「特例分」は所得割額の2割までと決まっています(総務省)。上限額の考え方は「ふるさと納税の上限額はどう決まる?カギは住民税の「所得割額」」でくわしく解説しています。
年金生活の方の上限額は「現役時代よりかなり少なめ」が基本
ふるさと納税の上限額(自己負担2,000円で収まる寄附額の目安)は、住民税の所得割額が大きいほど高くなるしくみです。年金生活になると収入が下がるので、現役時代と同じ感覚で寄附すると、上限を超えて“ただの寄附”になる部分が出やすいのが落とし穴です。
「去年まで3万円寄附していたから今年も3万円」は、年金生活1年目にいちばん多い失敗パターンです。
上限額を知るには、次の順番がおすすめです。
- 今年の住民税の通知書で所得割額を確認する
- ふるさと納税サイトのシミュレーターで目安を出す(年金収入を入力できるものを選ぶ)
- 出てきた金額より少し控えめに寄附する(医療費控除などで上限が変わることもあるため)
なお、年の途中で退職して年金生活に入った方は、その年は給与と年金の両方があるので計算が少しややこしくなります。退職した年のふるさと納税もあわせてどうぞ。
ワンストップ特例は使える?年金生活の方の判定チャート
ワンストップ特例は、確定申告をしなくても、寄附先の自治体に申請書を出すだけで住民税から控除される便利なしくみです。対象は「確定申告の不要な給与所得者等」で、寄附先が5自治体以内の人に限られます(総務省)。
年金生活の方の場合、国税庁の「公的年金等の確定申告不要制度」に当てはまるかが分かれ目です。
- 公的年金等の収入が400万円以下
- 年金以外の所得(パート代・家賃収入など)が20万円以下
この2つを満たし、ほかに確定申告をする理由がなければ、ワンストップ特例が使えるケースが多いです。ただし国税庁も「確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合がある」としているので、年金以外に少し収入がある方は、市区町村にも確認しておくと安心です。
こんな人は「確定申告」で寄附金控除を受ける
- 年金収入が400万円を超える
- 年金以外の所得が20万円を超える
- 医療費控除を受けたい(通院が多い方は特に)
- 寄附先が6自治体以上になった
ワンストップを申請していても、確定申告をした時点でワンストップは無効になります。そのときは、すべての寄附を確定申告に書き込むのを忘れずに。医療費控除との組み合わせは「ふるさと納税と医療費控除は併用できる?」で順番を解説しています。
ワンストップ特例と確定申告、年金生活ならどっち?比較表
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 手続き先 | 寄附した自治体(申請書を送る) | 税務署(e-Tax・郵送・持参) |
| 期限 | 寄附した翌年の1月10日まで(必着が一般的) | 寄附した翌年の3月15日まで |
| 寄附先の数 | 5自治体まで | 制限なし |
| 控除のされ方 | 全額が翌年度の住民税から | 所得税(還付)+翌年度の住民税 |
| 医療費控除との併用 | ×(確定申告するとワンストップは無効) | ○ 一緒に申告できる |
| 向いている人 | 年金400万円以下・ほかの所得20万円以下で、ほかに申告する理由がない人 | 医療費控除を受けたい人/年金以外の収入がある人/6自治体以上に寄附した人 |
ワンストップ特例のくわしい申請方法は「ふるさと納税のワンストップ特例とは?」をどうぞ。
年金生活の方が失敗しない返礼品の選び方3つ
税金の話でお疲れのところ、最後はお楽しみの返礼品です。年金生活ならではのコツがあります。
- 量より「使い切れる量」:お肉5kgが届いても、2人暮らしの冷凍庫はすでに満員…ということも。小分け・少量パックを選ぶと安心です。
- 日用品で「毎月の出費」を減らす:トイレットペーパーや洗剤など、どうせ買う物を返礼品にすると家計の助けになります。
- 年末年始の予定に合わせる:子や孫が帰ってくる時期に合わせて届く物を選ぶと喜ばれます。届く時期・受け取り方法(冷凍・日時指定の可否)は申し込み前に確認を。
返礼品を探すなら、au PAY ふるさと納税のようなポータルサイトで、地域やジャンルからまとめて比べられます。寄附の履歴もサイトで見られるので、「今年いくら寄附したっけ?」の確認にも便利です。
まとめ:年金生活のふるさと納税は「住民税の確認」から
- 年金生活でも、住民税の所得割を払っていればふるさと納税で控除を受けられる
- 住民税がかかっていない人は税金が戻らないので、まず通知書の「所得割額」を確認
- 上限額は現役時代より少なめになりやすい。シミュレーターで出して控えめに
- 年金400万円以下・ほかの所得20万円以下ならワンストップ特例が使えることが多い(翌年1月10日まで)
- 医療費控除で確定申告するなら、寄附もすべて申告に(ワンストップは無効になる)
判断に迷ったら、お住まいの市区町村の住民税の窓口や税務署に相談するのが確実です。年末はあっという間なので、寄附は12月に入る前に済ませておくと、カニも気持ちも余裕を持って迎えられますよ。
※制度の内容は2026年10月時点の国税庁・総務省の情報をもとにしています。個別の税額や控除額は、お住まいの市区町村・税務署でご確認ください。

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