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「ふるさと納税、やりたいけど自分の上限額がわからない…」。個人事業主・フリーランスの方から、いちばんよく聞く悩みです。会社員なら源泉徴収票を見ればだいたい分かりますが、自営業は12月にならないと今年いくら稼いだか分からない。むしろ12月になっても領収書の山を前に「分からないことが分かった」状態だったりしますよね。
この記事では、宅建士・FP2級の私が、個人事業主・フリーランスのふるさと納税について、次の3つをやさしくまとめます。
- 上限額は「売上」ではなく「所得(もうけ)」で考える
- 個人事業主はワンストップ特例が使えないので、確定申告で控除を受ける
- 青色申告の控除や小規模企業共済で所得が減ると、上限額も下がる
結論から言うと、個人事業主は「去年の住民税の所得割額」で目安をつかみ、今年の所得の見込みで少し控えめに寄付するのが、いちばん失敗しにくいやり方です。
📅 年末が近い方へ:ふるさと納税、年末までにやることまとめ【2026年】(締め切り・上限額・ワンストップの期限を1ページで確認できます)
個人事業主の上限額は「売上」ではなく「所得」で決まる
ふるさと納税で「自己負担2,000円」で済む上限額は、住民税の「所得割額」(収入に応じてかかる部分の住民税)で決まります。所得割額のもとになるのは、売上ではなく、売上から経費や各種控除を引いた後の金額です。
つまり、売上1,000万円でも経費が800万円なら、上限額は「売上200万円の人」に近いイメージになります。売上の大きさで上限額を見積もると、寄付しすぎになりやすいので注意しましょう。
総務省の説明をもとにすると、全額(2,000円を除く)が控除される上限額の目安は、次の式で計算できます。
上限額の目安 = 住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円
たとえば、住民税の所得割額が30万円・所得税率が10%の人なら、
30万円 × 20% ÷(90% − 10% × 1.021)+ 2,000円 ≒ 約7.7万円が目安です。
「所得割額」は、毎年6月ごろに市区町村から届く住民税の納税通知書に書いてあります。上限額の考え方そのものはふるさと納税の上限額はどう決まる?でも詳しく解説しています。
なお、所得税率は「課税される所得金額」で決まり、195万円未満は5%、195万円以上330万円未満は10%、330万円以上695万円未満は20%…と段階的に上がります(国税庁の速算表より)。式の結果はあくまで目安なので、正確な金額はお住まいの市区町村で確認してください。
帳簿づけや申告書づくりに不安がある方は、初年度無料で始められる「やよいの青色申告 オンライン」のような会計ソフトを使うと、仕訳から申告書の作成までまとめて進められます。月ごとのもうけ(所得)がすぐ見えるので、12月に「今年の所得の見込み」を出すのもラクになります。
会社員との違いは?ひと目でわかる比較表
個人事業主と会社員では、ふるさと納税の「やり方」が少し違います。違いを表にまとめました。
| 項目 | 会社員(給与のみ) | 個人事業主・フリーランス |
|---|---|---|
| 上限額のもと | 給与の年収からほぼ見当がつく | 売上ではなく所得(もうけ)で決まる |
| 今年の所得が分かる時期 | 年末調整のころ | 決算を締めるまで確定しない |
| ワンストップ特例 | 使える(寄付先5自治体以内など条件あり) | 使えない(確定申告をするため) |
| 控除の受け方 | ワンストップ特例 or 確定申告 | 確定申告で寄附金控除を入れる |
| 目安表の使いやすさ | 使いやすい | 給与収入が前提の表が多く、そのままは使いにくい |
ネットでよく見る「年収別の上限額の目安表」は、給与収入の人を前提に作られているものが多いです。個人事業主が「年収(売上)600万円の欄」を見てしまうと、大きくズレることがあるので気をつけましょう。
ワンストップ特例は使えない。確定申告で控除を受ける3ステップ
総務省によると、ワンストップ特例は「確定申告の不要な給与所得者等」で、寄付先が5自治体以内の人向けの仕組みです。個人事業主は毎年確定申告をするので、ふるさと納税の控除は、確定申告書に「寄附金控除」として書き込むのが基本です。うっかりワンストップの申請書を出していても、確定申告をすると特例は使われないので、申告書への記入を忘れないでください。
ステップ1:12月に「今年の所得の見込み」を出す
1月〜11月の売上と経費を集計し、12月分を見込みで足して今年の所得のおおよその額を出します。帳簿を毎月つけていれば、ここは10分で終わります(ためていると、ここで年末が溶けます)。
ステップ2:上限額の目安より少し控えめに寄付する
見込みはあくまで見込みなので、目安の8〜9割くらいにしておくと安心です。12月31日までに決済が終わった寄付が、その年の分になります。
ステップ3:受領証明書を保管して、翌年3月15日までに確定申告
寄付先から届く受領証明書(または、ふるさと納税サイトが発行する「寄附金控除に関する証明書」)を保管し、確定申告で寄附金控除を入力します。2026年分の申告期限は2027年3月15日(月)です。受領証明書をなくしたときは受領証明書をなくしたら?を見てください。
上限額が「思ったより下がる」3つの落とし穴
個人事業主ならではの、上限額が下がりやすいポイントです。どれも節税としては良いことなのですが、ふるさと納税の上限額とはセットで考える必要があります。
- 青色申告特別控除(最大65万円):所得が減る分、住民税の所得割額も減り、上限額が下がります。
- 小規模企業共済・iDeCoの掛金:掛金が全額所得控除になるので、そのぶん上限額は下がります(小規模企業共済とは?)。
- 年末の大きな経費:12月にパソコンなどを買うと、所得が下がって上限額も下がります。
また、ふるさと納税をしても、国民健康保険料は安くなりません。国保の保険料は所得をもとに計算されますが、ふるさと納税の控除はその計算に使われないためです。「住民税が減るなら国保も…」と期待すると、ちょっとがっかりするのでご注意を。
返礼品は「事業用」ではなく「家計」として選ぶ
ふるさと納税の返礼品は、事業の経費にはなりません。寄付はあくまで個人の支出として扱い、帳簿にも経費として入れないようにしましょう。
おすすめは、お米・日用品・冷凍の肉や魚など、どうせ毎月買うものを返礼品でもらう選び方です。家計の出費が減るので、売上が不安定になりがちな個人事業主ほど助かります。
返礼品探しには、au PAY ふるさと納税のようなふるさと納税サイトを使うと、地域やカテゴリーから比べながら選べます。年末は人気の返礼品が品切れになりやすいので、早めにチェックしておくのがおすすめです。
まとめ
- 個人事業主の上限額は売上ではなく所得で決まる
- 目安は「住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円」
- ワンストップ特例は使えないので、確定申告で寄附金控除を入れる
- 青色申告特別控除・小規模企業共済・年末の経費で上限額は下がる
- 12月に所得の見込みを出し、目安の8〜9割で寄付すると安心
「売上ではなく所得で考える」「確定申告で忘れず控除する」。この2つさえ押さえれば、個人事業主でもふるさと納税はこわくありません。今年の分は12月31日の決済までが勝負です。
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※税制・控除の計算は2026年10月時点の情報をもとにしています。上限額はあくまで目安です。正確な金額はお住まいの市区町村や税務署でご確認ください。


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