メルカリの売上に税金はかかる?確定申告が必要になる“3つのライン”と、不用品売却が非課税の理由をFP2級がやさしく解説

フリマアプリに出品する手元と、たたんだ洋服・段ボール・電卓・レシート 家計管理・貯金

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クローゼットの奥から、一度も袖を通していない服が出てきた。捨てるのは忍びないのでメルカリに出したら、思ったより高く売れた——。うれしいのに、通知が鳴るたびに心のどこかで「これ、税金だいじょうぶ?」がよぎる。あの感じ、みんな一緒です。

結論から言います。着なくなった服や使わなくなった家具・家電を売っただけなら、原則として税金はかかりません。売れた金額がいくらでも、です。

ただし、これには3つだけ例外があります。この記事では「自分は申告が必要な側なのか、そうでないのか」を5分で判断できるように、国税庁のルールをやさしく整理しました。

この記事でわかること

  • 不用品を売っただけなら非課税になる理由(生活用動産のルール)
  • 税金がかかってしまう3つのパターン
  • 会社員・扶養内・個人事業主それぞれの「いくらから申告?」の目安
  • 売上ではなく「もうけ」で判断するための、経費の考え方
  • いざというときに慌てないための、かんたんな準備

1. 不用品を売っただけなら、原則、税金はかからない

まず安心してほしいのが、この大原則です。国税庁のルールでは、「家具、じゅう器(=日用品)、通勤用の自動車、衣服など、生活に通常必要な動産」を売って得た所得は非課税とされています。むずかしい言葉で「生活用動産の譲渡による所得」といいます。

つまり、自分が使っていた服・バッグ・家電・本・おもちゃなどを手放しただけなら、いくらで売れても申告は不要です。年間30万円売れても、50万円売れても同じです。

理由はシンプルで、こうした物は買ったときの値段より安く売れるのがふつうだから。10万円で買ったコートが3万円で売れても、それは「もうけ」ではなく、むしろ差し引きマイナスですよね。国もそこは追いかけない、という整理になっています。

「じゃあ何も気にしなくていいの?」——ほぼその通りです。ただし、次の3つに当てはまる人だけは話が変わります。

2. 税金がかかるのは、この3パターンだけ

ややこしく見えるフリマの税金ですが、課税されるケースは実は多くありません。表で一気に確認しましょう。

売ったもの・売り方 所得の種類 税金は?
自分が使っていた不用品
(服・家具・家電・本など)
生活用動産の譲渡 原則、非課税
金額に関係なく申告不要
1個(1組)30万円を超える
貴金属・宝石・書画・骨とう
譲渡所得 課税対象
もうけが出ていれば申告の対象
転売目的で仕入れて売った
(せどり・買い付け)
雑所得(規模により事業所得) 課税対象
ハンドメイド作品などを継続的に販売 雑所得(規模により事業所得) 課税対象

①「1個30万円超」の高額品は要注意

非課税になるのは「生活に通常必要な動産」まで。貴金属・宝石・書画・骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは、この非課税ルールから外れます。相続でもらった指輪、コレクションしていた絵——このあたりが該当します。

ただし、外れた=すぐ課税、ではありません。この場合の譲渡所得は
売った金額 -(買ったときの金額+売るためにかかった費用)- 特別控除50万円
で計算します。もうけが年間50万円以下なら、特別控除で税金はゼロになります。さらに、持っていた期間が5年を超えていれば、課税されるのは残った金額の2分の1だけです。

②「仕入れて売る」はもう不用品ではない

安く買って高く売る、いわゆる転売。これは最初から利益を出す目的で買っているので、生活用動産にはあたりません。1回きりの失敗(買ったけど合わなくて売った)は不用品扱いで問題ありませんが、繰り返し仕入れて売っているなら課税される所得になります。

③ ハンドメイド・自作グッズの販売も同じ

アクセサリー、編み物、イラストデータなど、自分でつくったものを継続的に売っている場合も、不用品ではなく「商売」です。趣味の延長でも、収入があれば所得として扱われます。

3.「いくらから申告が必要?」は、あなたの立場で変わる

②③に当てはまった人は、次に「いくらから申告?」を確認します。ここが立場によって違うので、いちばん誤解が多いところです。

あなたの立場 所得税の確定申告 住民税
会社員・パート
(勤務先1か所・年末調整済み)
給与・退職金以外の所得の合計が20万円を超えたら必要 20万円以下でも市区町村への申告が必要
専業主婦(主夫)・学生など
(給与収入がない)
所得が基礎控除額を超えたら必要(金額は改正で変わるため国税庁で確認) お住まいの市区町村に確認
個人事業主・フリーランス 金額にかかわらず事業の申告に含める 確定申告をすれば住民税の申告は不要

会社員の方がとくに気をつけたいのが、右端の列です。「20万円以下だから何もしなくていい」は所得税だけの話で、住民税には20万円ルールがありません。もうけが1円でもあれば、本来はお住まいの市区町村に住民税の申告が必要です。ここは見落とされがちなので、覚えておくと安心です。

会社員の20万円ルールについては、副業の確定申告は20万円から?“20万円ルール”の正しい意味でくわしく解説しています。

4. 税金がかかるのは「売上」ではなく「もうけ」

ここも大事なポイント。判定に使うのは、振り込まれた金額(売上)ではありません。売上から必要経費を引いた「所得=もうけ」で考えます。

フリマ販売でよくある経費はこちらです。

  • 仕入れ代金(売れた分だけ)
  • 販売手数料:メルカリは販売価格の10%
  • 送料(出品者が負担した分)
  • 梱包材:段ボール、封筒、緩衝材、テープ
  • 材料費(ハンドメイドの場合)

たとえば、3万円で仕入れた品を5万円で売り、手数料5,000円・送料1,000円がかかったとします。売上は5万円ですが、もうけは 50,000 -(30,000+5,000+1,000)=14,000円「年間50万円も売れたから申告かな…」と青ざめた人の多くは、経費を引くと20万円に届いていません。

逆に言えば、経費を証明できないと、売上まるごとがもうけ扱いになりかねないということ。レシートと記録がそのままお守りになります。

5. 慌てないための、たった3つの準備

「もしかしたら申告が必要かも」と思ったら、いま日常でやっておくことは3つだけです。

① 売った記録を消さない
アプリの取引履歴は、あとから見返せる期間に限りがあります。年に一度でいいので、売上の一覧をスクリーンショットやCSVで残しておきましょう。

② 仕入れ・梱包材のレシートを1か所にまとめる
封筒1枚でも十分です。「経費の袋」を作って放り込むだけで、翌年の自分がとても助かります。

③ 売上とプライベートのお金を分ける
売上金の振込先を生活口座と分けておくと、1年後に「どれが売上だったか」で悩まずに済みます。

そのうえで、もうけが20万円を超えそう毎月コンスタントに売れているという方は、手集計をやめて会計ソフトに任せてしまうのがラクです。銀行口座やカードと連携させれば、入出金が自動で取り込まれ、確定申告の書類まで作れます。2月の自分を助けられるのは、記録をつけている今の自分だけです。

また、転売やハンドメイドが「趣味」を超えて継続的な商売になってきたなら、開業届を出して事業として申告する道もあります。青色申告を選べば、条件を満たすことで最大65万円の控除を受けられる可能性があります。開業届や青色申告承認申請書は、無料の作成サービスを使えば画面の案内に沿って進めるだけで作れます。

提出のタイミングは開業届はいつ出す?副業から個人事業主になるタイミング、控除のちがいは青色申告と白色申告の違いは?もあわせてどうぞ。

まとめ

  • 自分が使っていた不用品を売っただけなら、原則、非課税。金額を問わず申告は不要
  • 例外は①1個30万円超の貴金属・宝石・書画・骨とう ②転売 ③ハンドメイドなどの継続販売の3つ
  • ②③に当てはまる会社員は、もうけが20万円を超えたら確定申告
  • 20万円以下でも、住民税の申告は別途必要(住民税に20万円ルールはない)
  • 判定は売上ではなくもうけ(売上-経費)。手数料10%・送料・梱包材も経費になる
  • 迷ったら、記録を残すことだけ先にやっておけばOK

フリマは「捨てるはずだったモノが、ちょっとしたお金に変わる」いちばん身近な家計改善です。ルールを知っておけば、もう通知が鳴るたびにドキッとしなくて済みますね。

なお、副業が育ってきて「そろそろ自分のお店やサービスをネットに持ちたい」という段階になったら、宅建士・FP2級の私が ココナラのホームページ制作 でご相談に乗っています。気になる方はぜひ。

※税金の取り扱いは個々の状況や法改正によって変わります。判断に迷う場合は、国税庁のサイトやお住まいの税務署、税理士にご確認ください。本記事は執筆時点の情報にもとづく一般的な解説です。

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