住宅ローン控除の年末調整、2年目は何を出す?税務署と銀行から届く2つの書類・書き方の流れ・なくした時の対処法をFP2級がやさしく解説

住宅ローン控除の年末調整書類を確認する夫婦のイラスト 家計管理・貯金

10月の終わりごろ、会社から「年末調整の書類を出してください」と案内が来ますよね。マイホームを買って2年目以降の方は、そこに住宅ローン控除(住宅ローン減税)の書類も加わります。

「税務署から何枚も届いた紙、どこにしまったっけ…」と、引き出しを3つ開けたところで手が止まった方。大丈夫です。そういう方はたくさんいます(まとめて何年分も届くので、しまい込むのはむしろ自然です)。

この記事では、2年目以降の住宅ローン控除を年末調整で受けるときに出す書類・書き方の流れ・なくしたときの対処法を、FP2級の視点でやさしくまとめます。

結論:2年目からは「会社に書類を出すだけ」。ただし用意するものは2つ(または1つ)

先に結論です。

  • 1年目は自分で確定申告が必要(年末調整では受けられません)
  • 2年目以降は、会社の年末調整に書類を出せば手続きが終わります
  • 出すのは基本的に「住宅借入金等特別控除申告書」(税務署から届く)と「年末残高等証明書」(銀行から届く)の2つ
  • 銀行が新しい「調書方式」に対応している場合は、年末残高等証明書の添付が要らないことがあります

2年目以降は確定申告に行かなくても、会社に書類を出すだけで控除を続けられます。逆に言うと、出し忘れるとその年の控除がまるごと抜けてしまうので、ここはしっかり押さえておきましょう。

年末調整で出す2つの書類と、それぞれの届き方

① 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書(税務署から)

1年目の確定申告をしたあと、税務署から届く用紙です。控除が残っている年数分がまとめて届くのが特徴で、1枚=1年分。毎年その年の分を1枚ずつ使います。

e-Taxで「電子交付」を選んだ方は、紙ではなく毎年11月ごろにe-Taxのメッセージボックスに届く形になります。

用紙の上に書かれた「令和○年分」が、今年の年分かどうかを必ず確認してください。まとめて届くので、違う年の用紙を出してしまうミスが起きやすいところです。

② 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(銀行から)

住宅ローンを借りている金融機関から、毎年10月ごろに届く証明書です。年末時点のローン残高(見込み)が書かれています。

ただし、借入時に銀行へ「住宅ローン控除の適用申請書」を出していて、その銀行が「調書方式」(銀行が税務署へ直接データを出すしくみ)に対応している場合は、この証明書の添付が不要になります。自分がどちらか分からないときは、借入先の銀行に聞くのがいちばん確実です。

証明書方式と調書方式のちがい(比較表)

証明書方式(これまでの形) 調書方式(新しい形)
対象になりやすい人 2022年以前に入居した人など 2023年以降に入居し、銀行に「適用申請書」を出した人
年末調整で出すもの 控除申告書+年末残高等証明書 控除申告書(残高証明書の添付は不要)
控除申告書の届き方 税務署から残り年数分がまとめて郵送 書面(まとめて郵送)か電子交付(毎年11月ごろ)を選べる
銀行からの残高証明書 毎年10月ごろ届く 原則届かない(データで税務署へ)
迷ったときの確認先 借入先の銀行・会社の担当者 借入先の銀行・会社の担当者

※どちらの方式になるかは、入居した年と借入先の金融機関の対応によって変わります。必ずご自身の銀行の案内でご確認ください。

控除申告書の書き方の流れ(証明書方式の場合)

用紙は数字の欄が多くて身構えますが、やることは「銀行の証明書の数字を写して、順番にかけ算する」だけです。ざっくりの流れは次のとおりです。

  1. 用紙上部の年分が今年かを確認し、勤務先と自分の情報を書く
  2. 下半分の「証明書」部分は切り取らずにそのまま提出する
  3. 年末残高等証明書の年末残高を写す(複数の銀行から借りていれば合計)
  4. 夫婦の連帯債務などの場合は、自分の負担割合をかけた金額を書く(単独ローンならそのまま)
  5. 住宅の取得対価の額と比べて、少ないほうを使う
  6. 店舗併用などの場合は居住用の割合をかける
  7. 控除率をかけて控除額を出す(100円未満切り捨て・上限あり)
  8. 「年間所得の見積額」は、同時に出す基礎控除申告書の金額と同じにする

借り換えをした方、夫婦で連帯債務になっている方、調書方式の方は、備考欄への記入が必要になる場合があります。会社の案内や国税庁の記載例も合わせて見ておくと安心です。

ちなみに、控除額が所得税より多くて引ききれなかった分は、翌年の住民税から差し引かれるしくみがあります。住民税の分は、原則として自分で別の手続きをしなくても大丈夫です。

年末調整のほかの書類(扶養や保険料控除)のポイントは、2026年の年末調整はここが変わると生命保険料控除のハガキの記事でまとめています。

書類をなくした・間に合わないときの対処法

「引き出しを全部ひっくり返したけど、ない」。そんなときも慌てなくて大丈夫です。

なくしたもの 連絡先 ポイント
控除申告書(税務署から届いた用紙) 住所地の税務署 再交付の申請書を出す(e-Tax・郵送・持参)
年末残高等証明書 借入先の金融機関 再発行を依頼する
年末調整に間に合わなかった 税務署(確定申告) 翌年に自分で確定申告して控除を受けられる

年末調整に間に合わなくても、確定申告すれば控除は受けられます。まずは会社の担当者に「書類を再発行中です」とひと言伝えておきましょう。

なお、マイナポータル連携をしている方は、控除証明書や年末残高のデータを取り込んで入力をラクにできる場合もあります。

2年目以降によくある「うっかり」3つ

  • 去年の用紙を出してしまう:まとめて届くので起きがち。年分を指差し確認しましょう
  • 下の証明書部分を切り取ってしまう:切り取らずに1枚のまま出します
  • 繰上返済・借り換えを忘れて書く:残高は必ずその年の証明書(またはデータ)の数字を使います

もうひとつ。住宅ローン控除を受けている年にふるさと納税をする方は、上限額の考え方に少し注意が必要です。詳しくはふるさと納税と住宅ローン控除の併用の記事をどうぞ。

「届いた封筒は開けたら1か所にまとめる」——これだけで来年の自分がかなりラクになります。クリアファイル1枚に「住宅ローン控除」と書いておくのがおすすめです(100円ショップのファイル1枚で、毎年の“大捜索”が終わります)。

まとめ

  • 住宅ローン控除は1年目は確定申告、2年目以降は年末調整でOK
  • 出すのは控除申告書(税務署)+年末残高等証明書(銀行)。調書方式なら証明書の添付は不要
  • 控除申告書は今年の年分の1枚を、下の証明書部分ごと提出
  • なくしたら申告書は税務署、証明書は銀行へ。間に合わなければ確定申告で受けられる
  • 迷ったら借入先の銀行・会社の担当者・税務署に確認を

※制度の内容は2026年10月時点の情報をもとにしています。手続きの詳細は国税庁の案内や、勤務先・金融機関からの最新の案内でご確認ください。

「自分の場合はどうなんだろう」という方は、宅建士・FP2級の私が ココナラの住宅ローン本音相談 で相談に乗っています。気になる方はぜひ。

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