※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
夏に「予定納税」の納付書が届いて、なんとなく払った。そして11月、また同じ封筒がポストに入っている――。「え、これ2回目あるの?」と封筒を裏返した経験、ありませんか(残念ながら、裏には何も書いてありません)。
予定納税は去年の実績をもとに、今年の所得税を前払いする制度です。つまり今年の調子が去年より悪くても、請求は去年ベースでやってきます。でも実は、売上が落ちた年には金額を下げてもらう手続きがちゃんと用意されています。この記事では、第2期の納付スケジュールと、その「減額申請」の使い方を順番に整理します。
結論:第2期は11月30日まで。下げたいなら11月16日までに申請
先に要点だけまとめます。
- 予定納税の第2期分は、2026年(令和8年)11月2日〜11月30日が納付期間(振替納税なら11月30日に引き落とし)
- 今年の見込みが去年より少なそうなら、「減額申請」で第2期分を下げられる
- その期限は2026年11月16日(月)。判断の基準日は10月31日時点の状況
- 払いすぎても確定申告で精算されて戻ってくるので、慌てて損をすることはありません
「資金繰りが苦しいから減額申請」は通りません。あくまで“今年の税金が去年より少なくなる見込み”がある人のための手続きです。ここを勘違いすると、申請しても却下されてしまいます。
帳簿づけや申告書づくりに不安がある方は、初年度無料で始められるやよいの青色申告 オンラインのような会計ソフトを使うと、仕訳から申告書の作成までまとめて進められます。
予定納税とは?「前年の申告納税額15万円以上」で自動的に届く前払い
予定納税は、前年分の所得税の申告納税額(=確定申告で最終的に納めた税額)が15万円以上だった人に課される、今年分の所得税の前払い制度です。この15万円以上の金額を「予定納税基準額」と呼びます。
対象になる人には、税務署から6月15日までに「予定納税額の通知書」が届きます。申し込みも手続きも不要で、勝手に始まります(勝手に終わってもくれません)。
納める金額は、予定納税基準額の3分の1ずつを年2回。たとえば去年の申告納税額が30万円だった人なら、7月に10万円、11月にも10万円、という形です。
前払いした分は、来年の確定申告で計算した税額から差し引いて精算されます。払いすぎていれば還付されるので、「取られっぱなし」ではありません。この仕組みは、報酬から引かれる源泉徴収とまったく同じ考え方です(→ フリーランスの報酬から引かれる「10.21%」って何?)。
第2期の納付スケジュール|振替納税かどうかで日付が違う
2026年(令和8年)分の予定納税スケジュールは次のとおりです。
| 区分 | 納付期間・引落日 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 第1期分(7月) | 2026年7月1日〜7月31日 振替納税は7月31日に引落 |
予定納税基準額の1/3 |
| 第2期分(11月) | 2026年11月2日〜11月30日 振替納税は11月30日に引落 |
予定納税基準額の1/3 |
| 確定申告(翌年) | 2027年2月16日〜3月15日ごろ | 残り1/3+過不足の精算 |
注意したいのが振替納税を使っている人。第2期分は11月30日に口座から自動で引き落とされます。11月末はカード代や家賃の引き落としも重なりやすい時期なので、残高不足で引き落とせないと、翌日から延滞税がかかります。カレンダーに「11/30 予定納税」とだけ書いておけば十分です。
納付書が手元にある場合、予定納税額が30万円以下ならバーコード付納付書でコンビニ払いもできます。ほかにダイレクト納付・ネットバンキング・クレジットカード納付なども選べます。
売上が落ちた年は「減額申請」で下げられる|期限は11月16日(月)
ここからが本題です。今年の調子が去年ほどではない、という人に用意されているのが「予定納税額の減額申請」。正式名称は「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」という、読むだけで疲れる名前の書類です。
使えるのはこんなケース
国税庁が例として挙げているのは、次のような場合です。
- 廃業・休業・失業をした
- 業況不振などで、今年の所得が去年より明らかに少なくなりそう
- 災害・盗難・横領で事業用資産に損害を受けた
- 所得控除や税額控除が去年より増える(医療費控除が新たに使える/扶養が増えた/小規模企業共済や生命保険料控除の額が増えた/住宅ローン控除が新たに使える など)
見落とされがちなのが最後の「控除が増える」パターン。売上が去年並みでも、今年から共済の掛金を増やした・医療費が多くかかった、というだけで減額申請の対象になり得ます。
手順は「10月31日の現況」で計算して出すだけ
- 10月31日時点の状況で、今年1年分の所得と税額(申告納税見積額)を見積もる
- 減額申請書に記入し、計算の根拠になる資料(試算表・帳簿など)を添付
- 2026年11月16日(月)までに、所轄の税務署へ提出(e-Taxソフトまたは書面。持参・郵送も可)
- 税務署が承認・一部承認・却下のいずれかを書面で通知してくれる
※本来の期限は11月15日ですが、2026年は日曜日にあたるため翌営業日の11月16日(月)が期限になります。とはいえ、審査があることを考えると11月の頭には出しておくのが安心です。
申請する・しないで何が変わる?
| 減額申請をする | 何もしない | |
|---|---|---|
| 11月に払う額 | 認められた分だけ減る | 通知どおりの金額 |
| 最終的な税額 | 変わらない | 変わらない |
| 手間 | 見積計算+書類作成が必要 | ゼロ |
| お金の流れ | 手元の現金が残る | 翌春の確定申告で還付 |
| 向いている人 | 今年の売上が明らかに減った人/資金繰りに余裕がない人 | 去年と同程度か、それ以上に稼げている人 |
つまり減額申請は、税金を安くする手続きではありません。払いすぎた分は確定申告で必ず戻ってくるので、面倒なら無理に申請しなくても損はしません。ただし「数か月後に戻ってくるお金」と「いま手元にあるお金」では、事業をしている人にとっての価値はまったく別物ですよね。
予定納税でやりがちな3つの落とし穴
① 確定申告で「予定納税額」を書き忘れて二重払い
いちばん怖いのがこれです。確定申告書には「予定納税額」を記入する欄があり、ここに書き忘れると、前払いした分が差し引かれないまま計算されます。つまり同じ税金を2回払うことになります。通知書は捨てずに、確定申告の書類と一緒に保管しておいてください。
② 2026年の「基礎控除の見直し」は予定納税に反映されていない
令和8年度の税制改正で基礎控除が見直されましたが、国税庁は「基礎控除の見直しは予定納税額の計算上、考慮されていない。確定申告の際に考慮され、最終的な年間の所得税額において精算される」と明記しています。
ここで大事なのは、「基礎控除が増えたから」という理由だけでは減額申請の対象にならないという点。国税庁は、減額申請でいう「所得控除額が前年より増加する場合」に基礎控除の見直しは含まれないとわざわざ注記しています。申請するなら、あくまで売上の減少や他の控除の増加が理由です。
③ 「払えない」と「減らせる」は別の話
資金繰りが厳しいこと自体は、減額申請の理由になりません。納付が難しいときは、放置せず税務署の徴収窓口に相談を。納税の猶予制度など、別の入り口が用意されています。黙って期限を過ぎると、第2期分は12月1日から延滞税(令和8年12月中は年2.8%、年が明けるとさらに上がります)が積み上がっていきます。
減額申請のカギは「今年の数字が今わかるか」
減額申請は、10月31日時点で今年の着地を見積もるのがスタートです。逆にいえば、帳簿が春から止まっている状態だと、そもそも見積もりようがありません(「たぶん減ってる気がします」では通りません)。
日々の入出金が自動で取り込まれて、月ごとの利益がいつでも見られる状態にしておくと、この手の判断が一気にラクになります。会計ソフトごとの違いは 個人事業主の会計ソフトはどう選ぶ? で比較しています。
まとめ|11月は「30日」と「16日」の2つの日付を覚える
- 予定納税は、前年の申告納税額が15万円以上の人に自動で課される所得税の前払い
- 第2期分は2026年11月2日〜11月30日。振替納税なら11月30日に引き落とし
- 今年の税額が去年より少なくなりそうなら、11月16日(月)までに減額申請。基準日は10月31日の現況
- 減額申請は節税ではなく支払いタイミングの調整。放っておいても確定申告で精算される
- 確定申告書の「予定納税額」欄への記入忘れ=二重払いに要注意
「今年はどうも去年ほどではないな」と感じているなら、10月のうちに帳簿を締めて、今年の着地を一度計算してみてください。その数字は、減額申請だけでなく来年の確定申告でもそのまま使えます。
売上そのものを立て直したい、自分のサイトから仕事を取れるようにしたい、という方は、宅建士・FP2級の私が ココナラのホームページ制作 でご相談に乗っています。気になる方はぜひ。
※本記事は2026年9月時点の法令・国税庁の公表資料(タックスアンサーNo.2040、「令和8年分 予定納税について」、「A1-3 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続」)をもとに作成しています。個別の判断や申請の可否は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。


コメント