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「確定申告は3月だから、まだ大丈夫」…そう思っているうちに、気づけば2月の終わりにレシートの山と向き合っている。毎年それをくり返している個人事業主さん、実はかなり多いです。(レシートの山は、なぜか毎年ちょっとずつ高くなります。)
でも、確定申告のラクさと「払う税金の額」は、じつは12月31日までの過ごし方でかなり変わります。年が明けてからでは間に合わないものがあるからです。
この記事の結論はこちらです。
- 帳簿(お金の記録)は年内に11月分まで追いつかせておくと、2〜3月がぐっとラクになる
- 国民年金・国民健康保険・小規模企業共済・ふるさと納税は、12月31日までに払った分が「今年の控除」になる
- 12月に使った経費は、支払いが1月になっても基本的に今年の経費
- 在庫がある人は12月31日時点の在庫を数えておく
- 65万円控除をねらうなら、e-Taxの準備(マイナンバーカード)を年内に
宅建士・FP2級の私が、年末までにやっておきたい準備を5つにしぼって、やさしく解説します。
① 帳簿を「11月分まで」追いつかせておく
確定申告がしんどくなる一番の原因は、1年分の記録を最後にまとめてやろうとすることです。12か月分のレシートを3月にまとめて入力するのは、夏休みの宿題を8月31日にやるのと同じです。
おすすめは、12月のうちに「1月〜11月分」の入力を終わらせておくこと。そうすれば、年が明けてから入力するのは12月分だけで済みます。
- 通帳・クレジットカードの明細を1月分から見直し、入力もれがないかチェック
- レシート・領収書は月ごとに封筒やクリアファイルに分けておく
- 「これは経費?」と迷うものはメモを付けて保留にしておき、年内に調べる
帳簿づけや申告書づくりに不安がある方は、初年度無料で始められる「やよいの青色申告 オンライン」のような会計ソフトを使うと、仕訳から申告書の作成までまとめて進められます。
② 12月31日までに払うと「今年の控除」になるもの
ここがこの記事でいちばん大事なところです。税金を計算するときに差し引ける「控除」の多くは、「いつの分か」ではなく「いつ払ったか」で年が決まります。
国税庁の説明でも、社会保険料控除で差し引けるのは「その年に実際に支払った金額」とされています。つまり、12月31日に払えば今年の控除、1月1日に払えば来年の控除。たった1日で年が変わります。
国民年金・国民健康保険の保険料
払い忘れている月があれば、年内に払うと今年の社会保険料控除に入ります。国民年金は前納(まとめて先に払う)もでき、割引も受けられます。国民健康保険は自治体によって納期が違うので、手元の納付書で「年内に払う分」を確認しておきましょう。
小規模企業共済の掛金
個人事業主の「自分の退職金」をつくる制度です。中小機構の公式サイトでは、掛金は全額が所得控除の対象で、1年以内の前納掛金も同じように控除できるとされています。掛金は月1,000円〜70,000円(500円単位)で自由に決められます。くわしい仕組みは「小規模企業共済とは?」で解説しています。
ただし、掛金の増額やまとめ払いには手続きの締め切りがあり、年末ぎりぎりだと間に合わないことがあります。考えている方は早めに中小機構や窓口の金融機関へ確認しておくと安心です。
ふるさと納税
ふるさと納税も、12月31日までに寄附した分がその年の控除になります。個人事業主は確定申告で控除を受けるのが基本なので、上限額の考え方とあわせて「個人事業主のふるさと納税、上限額はどう出す?」もチェックしてみてください。
12月に払った場合・1月に払った場合の比較表
| 項目 | 12月31日までに払った | 1月1日以降に払った | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 国民年金保険料 | 今年の控除 | 来年の控除 | 前納で割引もある |
| 国民健康保険料(税) | 今年の控除 | 来年の控除 | 納期は自治体ごとに確認 |
| 小規模企業共済の掛金 | 今年の控除(1年以内の前納分も) | 来年の控除 | 増額・前納は締め切りに注意 |
| ふるさと納税 | 今年の控除 | 来年の控除 | 決済完了の日付で判断 |
| 12月に使った仕事の経費 | 今年の経費 | 原則、今年の経費(※) | 「払った日」より「使った日」 |
※所得が少ない青色申告者で「現金主義」の届出をしている人は、払った日で考えます。
③ 12月分の経費は「1月払い」でも今年の経費
控除は「払った日」が基準でしたが、仕事の経費は少し考え方が違います。経費は基本的に「その年に使った(支払うことが決まった)もの」で判断します。
たとえば、12月に使った仕事用の電気代・通信費や、12月にクレジットカードで買った仕事の道具は、引き落としが1月になっても今年の経費として計上できます(帳簿では「未払金」として記録します)。逆に言うと、引き落とし日だけ見て記録すると、年をまたいだ分がもれやすいので注意です。
なお、「税金を減らしたいから年末に何か買っておこう」は要注意。経費で減る税金は、使ったお金の一部だけです。10万円使って税金が数万円減っても、手元のお金は減っています。本当に必要なものだけにしましょう。(「節税のために買ったけど使っていない機材」は、だいたい押し入れで眠っています。)
④ 在庫がある人は「12月31日の在庫」を数えておく
物販・ハンドメイド・飲食など、商品や材料の在庫がある人は、12月31日時点で「何が・いくつ・いくら分」残っているかを数えて記録しておきます。これを棚卸し(たなおろし)といいます。
確定申告では、売れた商品の仕入れ額(売上原価)を、次の計算で出します。
売上原価 = 年はじめの在庫 + 今年の仕入れ − 年末の在庫
年末の在庫を数えていないと、この計算ができません。1月に入ってから「12月31日に何があったか」を思い出すのは大変なので、大みそかの前後に数えて、スマホで写真を撮っておくのがおすすめです。在庫がほとんどない仕事(ライター・デザイナーなど)の人は、ここは飛ばしてOKです。
⑤ 65万円控除をねらうなら、e-Taxの準備を年内に
青色申告の最大65万円の控除は、e-Tax(ネットでの申告)で出すか、決められた形式で帳簿を電子保存することなどが条件です。紙で出すと控除は55万円になります。
e-Taxを使うなら、マイナンバーカードと、スマホやパソコンで読み取れる環境があるとスムーズです。カードの暗証番号を忘れてしまった…という場合、再設定に窓口へ行く必要があることも。年内に一度、ログインできるか試しておくと、申告シーズンに慌てません。
ちなみに、2026年分の確定申告の期限は2027年3月15日(月)です。会計ソフトを選ぶなら、料金やプランの違いを「確定申告ソフトはどれがいい?」でくらべておくと、年明けにすぐ使い始められます。
年末までにやることチェックリスト
| やること | 目安の時期 | やらないと… |
|---|---|---|
| 帳簿を11月分まで入力 | 12月中 | 2〜3月に1年分をまとめて入力 |
| 国民年金・国保の未納を確認して支払い | 12月31日まで | 今年の控除にならない |
| 小規模企業共済の増額・前納の相談 | 11〜12月の早め | 締め切りに間に合わない |
| ふるさと納税 | 12月31日まで | 今年の控除にならない |
| 12月分の経費(未払い分)の記録 | 1月はじめ | 経費の計上もれ |
| 在庫を数える(在庫がある人) | 12月31日前後 | 売上原価が計算できない |
| マイナンバーカードでe-Taxにログイン確認 | 12月中 | 申告直前に慌てる |
会計ソフトを使うと、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込んで自動で記録できるので、①の「追いつかせる作業」がかなりラクになります。初めて使うなら、無料期間があるソフトで操作感を試してみるのがおすすめです。
※料金・無料期間などの条件は変わることがあります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
まとめ
- 帳簿は12月のうちに11月分まで追いつかせておく
- 国民年金・国保・小規模企業共済・ふるさと納税は12月31日までに払った分が今年の控除
- 12月に使った経費は、引き落としが1月でも原則今年の経費
- 在庫がある人は12月31日時点の在庫を数えて記録
- 65万円控除をねらうなら、e-Taxのログインを年内に確認
年末の数時間の準備で、2〜3月の自分がだいぶ助かります。「未来の自分へのお歳暮」だと思って、できるところから始めてみてください。
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